直腸脱
脱肛と勘違いされているケースがありますが、これは肛門より更に上の直腸の自体が脱出する病気で、痔核とは異なります。程度の激しいものは、人参のように長く大きく赤い粘膜が脱出し、大変不自由となります。

症状

 排便時に直腸粘膜の脱出です。初期の段階では排便時にのみ直腸が脱出し、排便が終わると自然に元に戻ります。脱出する長さも軽度で、3~4センチとなっています。しかし、進行して重症化していくと歩いているだけで脱出するようになったり、常に出た状態が続くようになり、その脱出する長さは10~20センチ以上という長さになります。このような状態になった場合、自然に戻ることはなく、手で押し込んで元の位置に戻しますが、それでも戻らないまま腫れや痛みが続く場合は受診をおすすめします。また、直腸脱に伴って分泌物の増加が見られ、出血や便失禁、便秘症や排便障害、肛門痛などを併発することがあります。 進行した直腸脱

原因

 肛門括約筋や肛門挙筋などの筋肉が弱かったり、骨盤底の固定が不十分であったりなどが原因として考えられています。どの年齢層にも広く見られますが、特に高齢者に多く見られます。

治療

 痔核脱肛手術に準じるもの、PPH(器械によるつり上げ)、環状切除、程度の進んだ直腸脱には、腹腔内視鏡下での腹部側からのつり上げ法があります。