大腸がんについて

近年、食生活の欧米化に伴い、大腸がんが激増し胃がんをしのぐ発生率となっております。1960年から1999年までの40年間で、患者数が約2倍に増加しています。その増加は主に結腸がんの増加によると考えられています。多くの大腸がんはほとんど無症状のまま進行し、腹痛などの症状が出てから発見されるとすでに転移していおり、手遅れとなることが少なくありません。男性については、肺がん、胃がんに次いで第3位となっています。また、女性については2005年以降は死亡率1位になりました。女性に多いがんと聞くと乳がんと思い浮かべる方が多いと思いますが、実は死亡率で見た場合、大腸がんの方が多いのです。ピンクリボン運動で乳がん検診と早期発見の重要性に対する意識は高まってきていますが、女性の大腸がんに対する認識はまだまだ少ない段階にあるのが現状です。

 

原因

以下の項目にあてはまる内容が多い方は要注意です。一度検査を受けることをお勧めします。

・運動不足
・肉類などの動物性脂肪の多い食生活
・肥満
・野菜や果物をあまり食べない
・お酒をたくさん飲む
・大腸にポリープと呼ばれる良性の腫瘍がある
・潰瘍性大腸炎に長期間かかったことがある
・家族の中に大腸がんがかかった人がいる

生活習慣の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると考えられています。

 

症状

 大腸がんの怖いところは、かなり進行するまで症状がないということです。おしりからの出血や便秘などの症状が出現して病院を受診する頃には、手遅れになるまで進行していたというケースがよくあります。

痔だと思っていたら、実は・・・

大腸がんの症状として多いのは血便です。同じ血便が出る痔だと思い込んでしまう方は少なくありません。
大腸がんは、見つけるのが早ければ早いほど、完全に治る可能性が高くなります。
早期の段階で発見できるように、ただの痔だと過信するのではなく、必ず医師にご相談ください。

 

排便の変化

  • 血便が出る
  • 肛門からの出血
  • 便が細くなる
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 便が残っている感じがする

お腹の変化

  • お腹が張っていると感じる
  • 腹痛が起きる
  • お腹にしこりがある

その他の変化

  • 貧血が起きる
  • 嘔吐する
  • 急に体重が落ちている

大腸癌検診の誤解について

検便で行う大腸がん検診は今後増えていく大腸がんを発見する上で大きな役割を占めています。しかし、大腸癌検診として行う便潜血検査は、文字通り便に血が混じっているかどうかを調べるためのものであり、がんの有無を問うものではありません。あくまでも出血をおこすほど進んだ癌を発見するという意味です。よって、良性ポリープや早期大腸がんでは異常が現れないこともあるため、検査結果が陰性であっても大腸がんの心配はないとも言い切れません。droka