そけいヘルニア(脱腸)

そけいヘルニア(鼠径ヘルニア・脱腸)とは、本来、お腹の中に納まっているはずの臓器(腸など)が、皮膚をかぶって外に飛び出して、膨らんだ状態をヘルニア(脱腸)といいます。病気では有りますが、良性疾患ですので早期に治療を行えば何も恐れることはありません。

ヘルニアの種類

そけいヘルニアになりやすい人

・加齢:特に40歳以上の男性
・日常生活:咳をよくする人、妊娠をしている人、過激な運動をする人
・職業:お腹に力がかかる仕事、立ち仕事に従事している人
・病気など:便秘症、肥満、喘息、慢性肺疾患 

症状

ヘルニア状態
脱腸の初期段階では、違和感を感じます
脱腸(そけいヘルニア)になると、立った時やおなかに力をいれたときに、足のつけ根のところ(そけい部)に柔らかいふくらみが出てきます。この状態だと、ふくらみは寝たり、手で押さえると引っ込みます。この段階では、特に痛みは感じないので軽く考えがちです。おそらく、脱腸(そけいヘルニア)だと気づかない人もいることでしょう。

②脱腸になると、徐々に日常生活に支障が出てきます
脱腸(そけいヘルニア)に気づく頃には痛みと、違和感を感じるようになります。
「長時間立っているのが辛い」「息苦しい」「時々、鋭い痛みが走る」 「お腹が突っ張っている感じが常にする」といった症状が出てきます。 こうなってくると、生活に支障が出てきてしまうので、ストレスともなってしまいます。ストレスは自分の健康のみならず、周囲の人にも影響が出てくるので、要注意です。  

 

嵌頓(かんとん)状態
飛び出た脱腸(そけいヘルニア)部分が、筋肉でしめつけられ戻らなくなった状態になってしまいます。この状態を、嵌頓(かんとん)状態といいます。
脱腸(そけいヘルニア)を放置していると、 この嵌頓ヘルニアになってしまう危険性があります。 腸が嵌頓を起こすと、腸の中を食べ物が流れていかなくなってしまい腸閉塞を起こします。 また、しめつけられた腸に血液が流れなくなり、 腸の組織が死んでしまい(壊死)、命に関わる場合もあります。嵌頓は、いつ起こるのか予想できません。 嵌頓が起きた場合には緊急手術が必要になります。腸の壊死があった場合には腸を切除しなくてはならないこともあり、長期の入院治療が必要になります。 普段より、2倍3倍の大きさになり戻らないときにはすぐに救急病院を受診してください。