経鼻内視鏡検査では、検査中でも医師と会話ができます。質問をしたり、気分を伝えたりできるので、安心して検査を受けることができます。しかし、経鼻内視鏡では経口法と比較すると画質がやや劣り、行える処理も限られます。どちらも一長一短ですが、鼻から入れる方法は「オェッ」とくる吐き気が起きにくく、近年ではこちらの方法が増えてきております。比較的楽な経鼻内視鏡の登場により、従来の検診で行われていたバリウムを飲むレントゲン検査に置き換わりつつあります。どちらの検査も朝ごはんを抜くだけで行えますが、基本的に予約制になっておりますので、まずはご相談ください。
検診などで以前から行われる方法で、バリウムを飲みレントゲンを撮影する方法です。食道・胃・十二指腸の観察が可能ですが、精密さでは内視鏡検査にはまったくかなわず、こちらは精密検査という位置づけではありません。
検査で被爆がある点、精密さの点で内視鏡に及ばない点、レントゲンで異常が出れば胃カメラをしないといけないという理由から、鼻から入れる胃カメラの登場以降は、最初から胃カメラを選択する方が増えています。レントゲンの方がわかりやすい病気もありますが、特別な理由がない限りは胃カメラの方をおすすめしています。
ピロリ菌について
ピロリ菌は胃の粘膜に住み着く菌で、正確にはヘリコバクター・ピロリという菌です。ピロリ菌は胃潰瘍や慢性胃炎、特に胃がんの大きな原因になります。胃がんの方のほとんどにピロリ菌がいることから、胃がんの大きな原因であることには間違いありません。ピロリ菌の診断・治療が広まることで、わが国では今後、胃ガンが減っていくと言われているくらいピロリ菌は近年注目されています。
それだけ悪さをする菌ではありますが、除菌治療の成功率が比較的高いことから、まずは自分がピロリ菌に感染しているかどうかを知ることに非常に意味があります。感染経路についてはまだ議論があるところではありますが、幼児の頃に食べ物や飲み物を介して感染するというのが有力な説です。そのため、小さなお子さんがいる場合は自分が子供に移さないためにもピロリ菌がいるかどうかを知ることは意味があります。
検査方法
ピロリ菌の検査には大きく分けて、胃カメラを使用するもの、使わないものに分けられます。それぞれ一長一短で検査の正確さも異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。
ピロリ菌検査が保険適応に
2013年より胃カメラで慢性胃炎を認めた場合も、ピロリ菌の検査・除菌が保険適応になりました。慢性胃炎が進む前に少しでも早い診断、除菌が胃がんの予防に有効です。